【ラ・リーガ バルセロナｖｓアラベス ２０２１年２月１３日（日本時間２９：００キックオフ）】
今のバルセロナを見ていると、リオネル・メッシが得点を決めた後、全員が幸せそうな顔をして祝福に駆けつけるシーンが目立っている。
この試合に出場したバルセロナの選手の中で、３３歳のメッシは最高齢だ。チーム全体でも、４カ月早く生まれているジェラール・ピケに次いで２番目になっている。マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマンへの移籍説や高額な報酬に対しての批判など、キャリアの終盤を迎えようとしているメッシの周囲は今シーズンいつになく騒がしいが、プレーは未だに別格だ。キャプテンマークを巻いてチームを引っ張るその姿はこれまでと遜色ないが、どこかこれまでのシーズンと違って見える。それを感じさせるのが、ゴール後のチームメイトの表情なのだ。
ロナウジーニョ、サミュエル・エトー、ティエリ・アンリ、アンドレス・イニエスタ、ルイス・スアレス、ネイマールら、自分のためにプレーしてくれる存在と共に輝いてきたメッシにとって、今シーズンはこれまでにない状況だ。自身が周りを引っ張り上げ、フレンキー・デ・ヨング、リキ・プッチ、フランシスコ・トリンコン、アンス・ファティら、若い選手にチームを引き継ぐ段階に入っている。
親友でもあったスアレスの放出があり、チームを生まれ変えらせるためにロナルド・クーマン監督が招聘された。メッシは残留したものの、開幕当初はトップフォームではなく、火種は常にくすぶっているように思われた。
しかし、クーマン監督はメッシを頼った。戦力的な面はもちろん、次世代のバルセロナに強さや哲学を引き継ぐためには、メッシの存在が不可欠だからだ。
