トゥヘル新監督のチェルシー改革「3試合目の成果」モウリーニョのトッテナム撃破の画像
トッテナム戦の勝利を喜ぶトーマス・トゥヘル監督(チェルシー) 写真:ロイター/アフロ

【イングリッシュ・プレミアリーグ トッテナムvsチェルシー 2021年2月4日(日本時間29:00キックオフ)】

 新監督が就任すると、それまでのチームを引き継いだ戦い方をする場合と、徹底的に以前のイメージを払拭しようとする場合とがある。チェルシーにやってきたトーマス・トゥヘル監督は後者だった。

 もっとも、前監督のフランク・ランパードが成績不振と戦術的な問題によって解任をされたことでチームを託されたのだから、路線をガラリと変えるのは当たり前のことだ。上手くいっていないものをそのまま続けるのであれば、トゥヘル監督が呼ばれた意味がない。

 戦術家であるトゥヘル監督のサッカーの肝は、細かいポジショニングの積み重ねでパスコースを作り続けることだ。もちろん守備でも約束事は多い。難易度の高いそのサッカーをシーズン途中から急に始めることの大変さは自身も承知しているが、野心家でもあるトゥヘル監督はいきなりチームを大きく変えた。

 就任してわずか2日後のウォルバーハンプトン戦で、それまでと大幅にメンバーもフォーメーションも変わったチェルシーは、スコアレスドローながら820本ものパスを繋いで78.9%ものボール保持率を記録し、トゥヘル監督のチームになったことを印象付けた。

 続くバーンリー戦でも保持率は70%を超え、2-0で新体制での初勝利を手にした。

 2試合で順調に大きな変化を見せることができたチェルシーだが、それは巡りあわせとトゥヘル監督の上手さによるものだということがわかる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4