この試合では、縦に並んだ状態でのリターンパスによってトッテナムのプレッシャーを無効化する場面が目立った。フォーメーションも3-4-2-1よりも3-4-1-2に近い状態になり「1」のメイソン・マウントが気を利かせたポジション取りで攻撃を活性化させた。パス成功率は90%を超えている。トゥヘル監督の理想に近づいていることは、74分からカンテが新体制で初登場したことからも窺える。

 相手の良さを消して守ることに関して定評のあるジョゼ・モウリーニョ監督のチームに対し、前半は圧倒し、後半はしっかり守りきった。PKによる1点のみだったが、結果もついてきたことでこのまま変革を進めることができる。

 試合の度にアップデートされていく新しいチェルシーに残されている課題は、フォワードによるゴールだ。

 1試合目で所信表明と後方の安定、2試合目で基本の浸透と中盤の成熟、そしてこの3試合目で理想に向かって更に歩み出した。このまま4試合目で完成となるのかどうか。あのネイマールでさえも積極的にチームプレイをこなすように変わったトゥヘル監督の手にかかれば、その可能性は高い。

 

■試合結果

トッテナム 0―1 チェルシー

■得点

24分 ジョルジーニョ(チェルシー)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4