13分、ゴールキーパーからのボールをライン際で受けた冨安は、レビッチの寄せに対してキープするだけでなく剥がしてリカルド・オルソリーニにパス。冨安はそのまま高い位置にいたエルナンデスの裏に走り、オルソリーニが縦に長いパスでリターンした。ボールはカバーに入ったセンターバックのアレッシオ・ロマニョーリがボールを回収したが、冨安はそのままプレッシャーをかけてスローインを獲得した。プレーの結果は、前線を押し上げた、というものだが、ここでもレビッチとエルナンデスを制した。
しかし、そこで易々と引かないのが今季のミランの首位たる所以だ。ミランの2人は、本来の良さを発揮するためにも思い切り前に出て、冨安を逆に大人しくさせようとした。
19分に冨安のスルーパスがエルナンデスの裏を突けば、22分にはレビッチがエルナンデスとのワンツーで冨安を交わしてペナルティエリアに侵入した。相手の思うようにはならない、引いた方が負け、という一進一退の攻防が続いていたが、決着は思わぬ形で訪れた。
26分、PKを与えてしまったボローニャは、イブラヒモビッチが蹴ったボールをウカシュ・スコルプスキが弾いたもののレビッチに詰められて先制を許した。冨安はフランク・ケシエをケアしていたが、レビッチはその横を一気に駆け抜けていってボールを蹴り込んだ。
レビッチはイブラヒモビッチのキックよりも前から全速力でスタートを切っていた。まるでどこにボールがこぼれてくるか予期していたかのような動きだったが、イブラヒモビッチのPK失敗はこれが今シーズン4度目ということもあり、反対側ではダヴィデ・カラブリアがやはり同じようにスタートを切っていた。どちらにこぼれてもゴールを奪えるように、ミス前提で動いていた抜け目のないミランが上回った。