■20年シーズンが助走となる松本
オフの移籍市場から新シーズンを占う「J2のミカタ特別編」では、J2チームの補強を定期的に査定していく。第3回目は昨シーズン13位の松本山雅FC、同14位のジェフユナイテッド千葉を取り上げる。
昨シーズンの松本は、布啓一郎監督のもとでスタートした。ザスパクサツ群馬をJ3からJ2へ昇格させた手腕を評価されたが、開幕から低空飛行が続いてしまう。前半戦を4勝7分10敗、20得点35失点の20位で終えると、フロントは監督交代へ踏み切った。
編成部長から立場を変えた柴田峡新監督は、守備の再建から着手した。シーズン後半戦は9勝8分4敗の成績を残し、13位まで順位を上げた。21試合で24得点17失点と、攻守のバランスも大幅に改善された。
柴田監督が続投した21年シーズンは、守備力のさらなる強化をはかりながら、攻撃力アップに着手していくのだろう。1月11日に開催された新体制発表会で、指揮官は「勝点84、得点84、その先に昇格が見えてくる」と数値目標を設定した。
84得点は1試合2点の計算だが、攻撃陣は補強で充実した。
即戦力のストライカーでは、ルカオ(ツエーゲン金沢から加入)、鈴木国友(ギラヴァンツ北九州から加入)、戸島章(大宮アルディージャから加入)を獲得した。25歳のブラジル人ルカオは昨シーズンのJ2で10ゴールをマークし、鈴木は途中出場が多いなかで6得点を記録した。また、横浜FCからの期限付き移籍で大宮入りした戸島は、27試合出場で3得点だった。
昨シーズン9得点の塚川孝輝とセルジーニョはチームを離れたが、同じく9得点でJ2での実績豊富な阪野豊史、19年にJ2の鹿児島ユナイテッドで2ケタ得点をあげた韓勇太(ハン・ヨンテ)らもおり、バリエーションに富んだ組み合わせが可能となっている。