危険なブラジル人ふたりを走らせた不用意なタックルが、囲碁や将棋でいう“敗着”となった。

 残念ながら日本サッカーでは、敵を利する無謀なタックルが少なくない。タックルは最終手段。とくに後方にスペースがあり、敵が前を向いて仕掛けてくるときは自重して、つかず離れずで下がっていくことが肝要だ。

 こういう状況でうかつに飛び込むと、敵を一気に加速させ、飛び込んだ選手はその後のプレーに関与できなくなってしまう。味方をピンチに追い込む、最悪のプレーといっていい。

 その最悪のプレーを、一発勝負のカップ・ファイナルで繰り返してしまう。正直、筆者には理解できない。

 こうしたミスが大舞台で起きるのは、なぜだろう。理由はいくつか考えられる。

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