レアンドロにボールが渡ったとき、柏右サイドバックの川口は敵陣に上がっていた。つまり、後方には広大なスペースが広がっている。同サイドのMFがやるべきは、しっかり戻って敵の攻撃を遅らせること。だがヒシャルジソンは体勢が整ったレアンドロに後方から飛び込み、あっさりと外されてしまう。
ここからレアンドロは一気に加速し、柏守備陣はひとりずつ切りかかって、バサバサと返り討ちにされていった。
柏はこれに懲りず、後半にも同じミスを犯す。
73分、途中出場したアダイウトンに柏はふたりが置き去りにされた。抜かれたのはヒシャルジソンとクリスティアーノ。
左サイドタッチラインでボールを持ったアダイウトンが、一気に仕掛ける。準備が整っていなかったのかヒシャルジソンは体勢を崩し、そのまま身体を投げ出してしまう。
このタックルは見事にかわされ、アダイウトンはタッチライン深くに侵入する。一度スピードをゆるめた敵に、今度は帰陣したクリスティアーノが飛び込み、こちらもあっさりと見切られ、ペナルティエリア脇に入り込まれた。
無謀なふたつのタックルから、柏守備陣は混乱。この悪い流れを立て直せないまま、アダイウトンに決勝点を献上する。