それは、良さを消され続けたヴァーディーだ。

 85分、右サイドからボールが入ってくると、ユナイテッドの最終ラインの裏ではなく手前に戻ったヴァーディーがフリーとなり2ー2となるゴールを決めた。カバーニが下がることでフリーとなりゴールを生んだのならば、ヴァーディーもまた下がることでフリーとなりゴールを陥れた。

 マルシャルとカバーニが2人で完成させた駆け引きを、ヴァーディーは1人でやってみせた。試合の中でのプレーだけでなく、普段からのイメージが武器となった。

 そっちがそうするならばこっちも……。

 失点シーンを見て顔を歪めていたエースストライカーの意地とプライドが見えたゴールだった。

 2位と3位の上位対決は引き分けに終わり、レスターは今シーズン初の勝ち点1を獲得した。今度はレスターが中1日で次の試合を迎えることになる。プレミアリーグの過酷すぎる年末年始の日程の中で、上位を死守することができるかどうか。伝説のメンバーであるヴァーディーが、再び伝説を作ろうとしている。

 

■試合結果

レスター・シティ 2ー2 マンチェスター・ユナイテッド

■得点

23分 マーカス・ラッシュフォード

31分 ハーヴィー・ヴァーンズ

79分 ブルーノ・フェルナンデス

85分 ジェイミー・ヴァ―ディー

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4