一方、シメオネは「9番」の選手を求め続けてきた。

 ラダメル・ファルカオ、アドリアン・ロペス、ダビド・ビジャ、マリオ・マンジュキッチ、フェルナンド・トーレス、ラウール・ヒメネス、ジャクソン・マルティネス、ルシアーノ・ビエット、ケビン・ガメイロ、アルバロ・モラタ、ニコラ・カリニッチ、ジエゴ・コスタ...。シメオネが就任した2011年12月以降、多くの選手がアトレティコのユニフォームに袖を通した。

 ただ、シメオネ政権で最もゴールスコアラーとして活躍したのはアントワーヌ・グリーズマンである。彼は純粋な9番の選手ではない。

 この夏、アトレティコにルイス・スアレスが加入した。バルセロナで【4-3-3】のCFを務め、一時はリオネル・メッシネイマールと共に「MSN」を形成してスペインと欧州を席巻した。時には【4-4-2】でメッシと2トップを組んだストライカー中のストライカーである。

 しかし現状はスアレスがジョアン・フェリックスマルコス・ジョレンテを生かしながらアトレティコの攻撃が成り立っている。

 グアルディオラにとってのセンターバックと、シメオネにとってのストライカー。彼らでさえ、毛布をうまく扱おうと試行錯誤している。

 フットボールに答えはない。答えを求めて考え続ける者だけが、生き残るのである。

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