世界最高の監督は、誰だ?
そう聞かれて、真っ先に思い浮かぶのはジョゼップ・グアルディオラ監督の顔だ。バルセロナ、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティとビッグクラブで指揮を執ってきた。これまで実に29個のタイトルを獲得している。
もうひとり挙げるとすればディエゴ・シメオネ監督だろうか。グアルディオラとシメオネは監督界で有数の高給取りであり、それぞれのチームで欠かせないリーダーとなっている。
だが、2人の指揮官は対照的だ。
■全体を覆うのは不可能
「フットボールは短い毛布を想起させる。頭を隠せば、足が出てしまう。足を隠せば、頭が出てしまうんだ」とは1900年代半ばに南米で名将として名を馳せたエルバ・デ・パドゥア・リマ監督の言葉だ。
つまり、フットボールにおいては、バランスが重要なのである。
攻撃に重心を傾けるグアルディオラと、守備に重きを置くシメオネ。そういう意味で、彼らは極端な監督だ。