交代枠が5ではなく3に戻ったことに各チームが不満を漏らしているプレミアリーグにおいて、この試合では両チーム共に交代は1人だけしかなかった。
それだけで、緊迫感のあるハイレベルな試合でありながら、それがあまりにも長く続いた結果、スコアレスドローという決着が妥当なものになっていたことがわかる。後半のアディショナルタイムは2分しかなく、それもドローを妥当なものに感じさせた。
それは同時に、連動したボール保持かつ縦に速いショートカウンター、そしてハイプレス、という現在のトレンドを互いに1試合を通してやり切った場合、それを打開する術がなかなか無い、という現状も表している。
トーレスの投入は、そういう状況を個人での打開でなんとかできないものか、というものだったが、それでもあくまでも右サイドのアタッカー同士の交代、の域を出はしなかった。相手のホームでのダービーマッチで0-0、ということももちろんあるが、チームのバランスを大きく変えて勝利できる策がなかったからでもある。