■看板3トップの生き残り
そして、ベンゼマは「BBC」の唯一の生き残りである。
「BBC」とは、ベンゼマ、ガレス・ベイル、C・ロナウドのマドリーの看板3トップだ。2013年夏にベイルがマドリーに加入して以降、マドリーはこの3選手を中心に破壊的な攻撃力を有するようになった。
思えば、ベンゼマは最初からマドリーの大きなプロジェクトの一部だった。2009年夏、フロレンティーノ・ペレス会長は大型補強に乗り出していた。第二次ペレス政権で、C・ロナウド、カカー、ベンゼマ、シャビ・アロンソと次々にビッグプレーヤーがマドリーに加入した。
当時、ペレス会長にとっては、ベンゼマが2番目の補強選手だった。ペレス会長はフランスのリヨンに赴き、ベンゼマを直接口説き落とした。「ある日、家族と代理人から電話があってね。早く家に戻ってこいと言われたんだ。僕は友人と一緒にいたから『時間がない』と断った。そこで、フロレンティーノの訪問を知らされた。急いで帰宅すると、本当に彼がいたんだ。びっくりし過ぎて、挨拶もろくにできなかったよ」とはベンゼマの言葉だ。