■森保監督の基準が見えてきた

 だがもちろん、この4試合で最も大きな恩恵を受けたのは、日本代表チームのはずだ。

「ホテル、食事といったものがしっかりできていたので、選手たちは移動のストレスもなく、食事も日本から帯同したシェフが日本食を出してくれて喜んでいました。シェフを帯同したのは、衛生管理の面でも必要と思ったからです。その結果、外出はできなくても、選手たちは生き生きとしていました。練習で負荷をかけることもできました。しっかり練習をして試合をすることの重要性を再認識しました。本当に意味のある試合、合宿になったと思います」

「田嶋会長の立場としては、代表チームの強化だけでなく、スポーツ界への寄与、貢献ということも語られますが、『技術委員長』という私の立場としては、メンバー発表の会見でも開口一番に言いましたが、あくまでも強化、3月に再開するワールドカップ予選に向けての強化ということでした」

「朝起きたら日本代表が強くなっているということなど、絶対にありません。段階を踏んで徐々にステップアップしていくことが必要で、森保監督はそうしたことをしっかりとやってくれていると思います。来年は、ワールドカップ予選だけでなく、日本のサッカーにとって重要な東京オリンピックもあり、今回の4試合は、海外組だけでしたが、メンバーを集めて活動したなかで、そのベースというか、『基準』が見えてきたと思うんです。Jリーグには、急成長している選手がたくさんいます。そうした選手たちがその『基準』を超えていれば代表として選考することになります。そうした選手が海外組と融合し、よりパワーアップしたチームになることを願っていますし、そうでなければなりません」

PHOTO GALLERY 久保、遠藤らメキシコ代表戦での日本代表選手 
  1. 1
  2. 2
  3. 3