それでも撃ったシュートは、相手選手の間をうまくすり抜けてゴールに入った。シュートに勢いはなく、ゴロゴロと転がるボールだったが、1点に変わりはない。ボールを持ったときの勇気、ゴール前でのチャンスを感じたときに発した勇気が、得点に昇華したのだ。

 この日の仙台は、ボールを持ったときの勇気が全選手から感じられた。そもそも、この得点に至る直前、FW長沢駿は左サイドからのボールを受け取ると、迷わず2枚はがしに打って出た。

 それ以外にも、随所でボールを持った好プレーが飛び出した。74分にFW山田寛人がコーナーキックに合わせて追加点を奪ったが、その直前、山田は50分、52分にチャンスを作り、73分には相手GKが弾くのが精いっぱいのシュートで強襲してみせた。結果的に、73分のシュートで得たコーナーキックが得点に直結する。

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