新天地到着は、気分を高揚させるものだ。
その筆頭はルイス・スアレスだろう。この夏、バルセロナからアトレティコ・マドリーに移籍。バルセロナのロナルド・クーマン監督の下で戦力外となったところに、アトレティコを率いるディエゴ・シメオネ監督が目を付けた。
スアレスはデビュー戦で2ゴールを挙げ、その後目覚ましい活躍を披露している。また彼の加入で、ジョアン・フェリックスやマルコス・ジョレンテの得点数が増加した。巧みなフリーランニングでセンターバックを引っ張るスアレスの存在はアトレティコに大きなプラスアルファをもたらしている。新型コロナウィルスの陽性反応により欠場するようになり、アトレティコの得点力は明らかに落ちた。
一方、スアレスを放出したバルセロナは苦しんでいる。リオネル・メッシをゼロトップに据えてシーズンをスタートさせたが、安定感がない。クーマン監督はアントワーヌ・グリーズマンやマルティン・ブライスワイトを使いこなせずにいる。
■イタリアを新天地に選んだ男
また昨年夏、イタリアを新天地に選んだのがロメル・ルカクだ。
ルカクはアンデルレヒトで2009年5月24日に16歳の若さでトップデビューを飾った。早くから将来を嘱望され、2011年夏にビッグクラブ入りを果たす。チェルシーが彼を確保した。
だがスタープレーヤーが集うチームで競争は激しかった。出番を求めて移籍したウェスト・ブロムウィッチ(2012ー13シーズン/プレミアリーグ35試合17得点)で結果を残すと、エヴァートンで萌芽の時を迎える。エヴァートンに在籍したシーズンでは、毎年二桁得点を記録した。
16-17シーズン、エヴァートンでルカク(プレミアリーグ37試合25得点)を重宝していたクーマン監督がスアレスを戦力外にしたのは皮肉な話である。それはさておき、ルカクはマンチェスター・ユナイテッド移籍を経て、移籍金7400万ユーロ(約88億円)でインテルに加入した。