■「あの時間に入れられた橋本は気の毒だった」
―この間の話では遠藤、橋本のコンビがどうかという点も語っていましたが。
後藤「橋本は、あの時間に入れられたのは気の毒だよね。完全に後手に回っている中で、どうにかしてくださいって、橋本に要求するのはちょっと酷だよな」
大住「たとえば最後のほうに入ってきた久保にしろ、浅野にしろ三好にしろ、投入された時点で、これはちょっと……期待できないかなって言う感じはした」
後藤「日本がもし1-0でリードしていて、相手がどんどん来ている時は、浅野が走るスペースはあるだろうけど。でも相手が2点リードしていてこのまま終わらせようとしている時間に、浅野を入れても活きることはない」
大住「あれだけチームが、お互いの距離を開いちゃっている時に、久保を入れても……たしかに技術は高いんだけど、体当たりを食らえばそこで止まっちゃうからね」
後藤「日本が前半に点を取れていてリードしていたなら、あの交代も有効だったかもね」
大住「武蔵を使ったのも何か良い所があったんだろうけど。だけど、あそこに南野が出ていれば2点くらい入っていた気はしたよね」
後藤「キーパーと1対1になった時に、南野だったら入ったような気はするね」
大住「あと最後にね、伊東がひょろひょろって抜けてクロスを打ったら、霧の中から出てきたボールを南野が見えなかったっていうシーンもあったよね」
―あれはビックリしましたね。
大住「あれしかなかったもんね。南野に何かありそうなことって」
後藤「今日は南野でなくて武蔵を出したのはどうしてだと思いますか、大住さん」
大住「中山を含めての話だけど、計算ができるとしたら、この間も言ったけど、フォワードが南野で、左サイドバックは長友だったとは思うんだけど、チームとしてのバリエーションを広げるためには中山。こういう試合で中山がどれほどできるか。それから武蔵にはこの2か月間、しっかり言って聞かせてきたのだろうから、その宿題をどのようにこなしているのかが見たかったんじゃないかな」
後藤「見たかったと……」
大住「たとえば今日がワールドカップの出場がかかった試合ならば、当然、南野と長友を使ったと思うけど。今日はそのへんは少しテストが入っていたのかなと」
後藤「後半、攻めなくちゃいけない場面では長友を出したかったよね。長友ならもうちょっと、攻撃的に左サイドが行けただろうなって。そこは残念だったね。長友はこの間はフル出場で、それまでずっと試合をしてなかったわけだから、今回の2試合に出るのは大変だったのかなという気はするけど、それでも後半に出していたら面白かったなという気はするよね」
―後藤さんも、中山と武蔵がテストで出されたという意見に同意ですか?
後藤「もちろん、そう思います。けどメキシコ相手には、勝つためのベストメンバーで、もう少し行ったほうが良かったのでは。と、僕は思う」
大住「結局、いわゆる戦力の逐次投入みたいな形になって、少し後ろの馬力が無くなってきたときに、南野を出してもあまり効果はなかったなという感じはするよね。けど、その辺はチーム作りの過程の話だから」
後藤「そうそう。焦っても仕方ないよ。と自分で言いながら、今日の試合ではつい逆のことを言ってしまうけどね」
大住「まあ、これは失敗だとか、許せない、とかそんなことは無いよね」
後藤「そんなことはない」