■クラブのレギュラーがいないGK
大迫勇也が不在だった1トップでは、ブレーメン所属のエースを脅かす存在は現われなかった。
メキシコ戦の前半に鈴木武蔵が好機を生かしていれば、たとえ負けていても印象は違った。しかし、決定力に課題があるのは彼だけでなく、日本サッカー全体の課題である。所属クラブでのプレーから判断すれば、鈴木も、パナマ戦とメキシコ戦に途中出場した浅野拓磨も、このタイミングでテストされるのにふさわしかった。
メキシコ戦の後半途中から、森保一監督は南野拓実を1トップに置いた。鎌田大地がトップ下で適性を見せているだけに、南野を最前線に置くのは3-4-2-1でも4-2-3-1でも視野に入る。リバプールでプレータイムを増やしていくことが前提になるが、南野は大迫と並んで前線の軸になっていかなければならない。南野とともにリオ五輪に出場した鈴木と浅野は、クラブで結果を出し続けることで次のチャンスを待つことになる。
クラブでのパフォーマンスでは、GKが気になる。森保監督は10月の2試合に続いて権田修一とシュミット・ダニエルを起用したが、どちらもクラブでは定位置をつかんでいない。第3GKの立場の川島永嗣も、バックアップ役を任されている。
対戦相手が格下のW杯アジア2次予選はともかく、同最終予選ではGKのパフォーマンスも勝敗を左右する。勝点奪取につながるプレーも求められるだけに、彼らには現状打破が求められる。