カズはピッチに投入されてから、ボールを追って走った。88分にはイニエスタの右からのFKに、ボールの最も近くに壁として立った。
神戸の右サイドでイニエスタが持ち上がり、カズが並走したシーンでは、スタジアム中から「おおっ」という声がまたも漏れた。カズがどこにいるのか、イニエスタがどこにいるのか。全員が2人の動向に注目していた。
試合は、後半のアディショナルタイムに、カズと同じタイミングで投入された瀬沼が折り返したボールを、横浜FCのMF安永玲央が、ペナルティエリア外からミドルシュートを突き刺して劇的な決着を迎えた。
横浜FC 2-1 神戸
安永の父は横浜Fマリノスなどで活躍した安永聡太郎だが、横浜FCの下平隆宏監督は、柏の現役選手だった95年に、横浜マリノスの安永聡太郎の初ゴールの試合にも出場していたという縁があるという。