最強・川崎との対戦を前にして、公式練習の前のタイミングでペトロビッチ監督はスタジアム建物の外でイスに深く座ってゆっくりとたばこをくゆらせていた。それも、1本1本ゆっくりと時間をかけて味わっていた。時折、人が来るとグータッチをしてコミュニケーションを取ったが、それ以外はじっくりとタバコを味わっていた。
ペトロビッチ監督にとって、こうした戦い方は当然、周到に準備していた。直前になって選手に慌てて何かを説明する必要もないと言わんばかりの一服タイムに見えた。
10月24日の横浜FC戦で、外国人監督としては史上初めてとなるJ1通算200勝を達成したペトロビッチ監督。川崎戦の白星で通算201勝とし、J1通算勝利数で2位の長谷川健太監督(現・FC東京)に並んでみせた。「勝利に値する試合ができた」と胸を誇るペトロビッチ監督に率いられた札幌が、川崎戦の勝利を自信に残り7試合で躍動する姿を見せてくれるだろう。