羽ばたくためには、「翼」が必要だ。
フットボールにおいて「翼」とはウィングのことである。「両翼」と形容されるように、【4-3-3】であれ、【4-2-3-1】であれ、両サイドに置かれたアタッカーが試合の鍵を握る。
■ウィングの役割
ネイマール、キリアン・ムバッペ、セルジュ・ニャブリ、キングスレイ・コマン...。昨季のチャンピオンズリーグで決勝に進んだチームには、素晴らしいサイドアタッカーがいた。
パリ・サンジェルマンに関しては、トーマス・トゥヘル監督が「ネイマール・システム」といえるような布陣を敷いていた。それに伴い、アンヘル・ディ・マリア、パブロ・サラビア、エリック・マキシム・チュポ=モティングが時にウィング化した。一方、バイエルンについてはイバン・ペリシッチというベテランのサイドアタッカーがファイナル進出に貢献していたのを忘れてはならない。
近年、欧州のフットボールシーンではウィングに「得点力」が求められるようになっている。
その流れができた背景として、スペインの2強の存在が挙げられるだろう。リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの「MSN」と呼ばれたバルセロナの3トップ。そしてカリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル、クリスティアーノ・ロナウドの「BBC」と呼ばれたレアル・マドリーの3トップだ。
2014-15シーズン、チャンピオンズリーグを制したのは「MSN」のバルセロナだった。15-16シーズン、16-17シーズン、17-18シーズンと同大会3連覇を達成したのは「BBC」を擁したマドリーである。