衝撃のニュース、ではなかったかも知れない。
バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が辞任した。この夏のリオネル・メッシの退団騒動後、「史上最悪」のレッテルを貼られたバルトメウ会長と理事会をめぐる不信任投票に向けた動きが活発化。必要数の1万6521票を超える約2万の署名が集まり、ソシオ(会員)の怒りは爆発寸前だった。
バルトメウ会長は不信任投票に際して複数都市開催とそれに伴う準備で投票日の先送りを検討していた。新型コロナウィルス対策を考えてのことだった。だがカタルーニャ州政府から日付(11月1日・11月2日)に関しては変更する理由が見当たらないと要望を撥ねつけられ、辞意を表明する運びとなっている。
■成功の背景
バルトメウが正式に会長に就任したのは2015年夏だ。彼が会長選で正当に勝利してトップの座に就いたというのは忘れてはならない。
その背景には、確かな成功があった。2014ー15シーズン、ネイマールの移籍問題が裁判沙汰となり、サンドロ・ロセイ当時会長が辞任に追い込まれた。当時副会長だったバルトメウが暫定的に会長となり、スポーツディレクターを務めていたアンドニ・スビサレッタの解任とシーズン終了時の会長選の前倒しを決め、一致団結したバルセロナはトリプレテ(3冠)を達成した。
14-15シーズン終了後、およそ4万7000票が集まった会長選で、バルトメウの得票率は54%だった。ジョアン・ラポルタ(33%)に十分な差を付けて、彼は会長ポストに就いたのである。