2021年夏まで契約を残しているメッシだが、2019-20シーズン終了時に一方的に退団する権利を有していたといわれている。その解釈をめぐり、メッシとクラブが真っ向から対立した。メッシ側は新型コロナウィルスの影響で変則的となった19-20シーズンにおいて、チャンピオンズリーグ決勝が終わった直後の8月25日にburofax(ブロファックス/内容証明郵便)で退団希望を通達した。
だがバルトメウはメッシが2020年6月10日までに退団希望を通達する必要があったと主張した。最終的にはラ・リーガがバルセロナ側を支持して、「生涯のクラブとの法的闘争は望まない」と考えたメッシが残留を宣言した。ただ、それはメッシのバルトメウ会長への強い不信感が露呈した大きな出来事だった。
エースのーー史上最高と謳われる選手のーー退団希望表明はバルセロニスタに大きなショックを与えた。ジョルディ・ファレ氏を中心に不信任動議に向けた署名活動が行われ、冒頭の流れになる。
バルトメウの辞任で、クラブの指揮は暫定的にカルラス・トゥスケッツ氏の手に委ねられる。次の会長選は約3カ月後、2021年1月に行われる見込みだ。真の意味でクラブが再建できるかどうか。バルセロナが、岐路に立たされている。