■長谷部はまだまだ活躍できそうだ

 確かに、常に中央の日本人リベロを軸に配給するばかりでは、ゲームの組み立ても単調になってしまうし、敵のプレスの格好の的になってしまう。しかし、最終ラインのDF陣がポジションチェンジを繰り返しながらビルドアップを試みれば、攻撃に変化を加えられるだろうし、相手の守備の矛先をいなすことにもなるだろう。

 もちろんこれは些細な変化に過ぎないかもしれない。しかし昨季、長谷部はチームの変化に柔軟に対応することの重要性を説いていた。ブンデスを主戦場として13季目となる日本人選手によれば、フットボールの世界は移り変わりが速いのだという。そして、その移り変わりに適切にアジャストできる選手が生き残っていくのだ、と。

 そういった意味では、ラインエネルギー・シュタディオンのピッチの上に、まだまだ変化していきそうな長谷部の姿があった。1対1の攻防で劣勢の様子はない。ヨーロッパリーグもない今季は、シーズンを通してコンディションも良好に保てるだろう。このまま行けば、現状では2021年6月30日までとなっているフランクフルトとの契約も、さらに延長できるのではないか。

 どうやら20/21シーズンが、36歳の長谷部にとって、サッカー選手として“最後のシーズン”にはなりそうにない。

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