その存在がいかに大きかったかを示すのが、「背番号」だ。パレホはバレンシアの10番を付けてプレーしていた。しかし、パレホがビジャレアルに移籍した今シーズン、バレンシアでパレホの背番号を付けてピッチに立つ選手はいない。“偉大なるパレホ”の背番号は、クラブとしてもそう簡単に継がせるわけにはいかないというわけだ。
バレンシアはビジャレアルに対して複雑な思いを抱えたまま試合に挑む。先述したパレホだけでなく、やはりチームの中心選手だったフランス人MFフランシス・コクランもビジャレアルに移籍させてしまった。他にも、スペイン代表のFWロドリゴ・モレノやFWフェラン・トーレスを放出するなど、財政難からチーム解体と言えるほどの状態で、今シーズンに挑んでいる。
試合を前にして、MFジェフリー・コンドグビアがインスタグラムに「クラブにだまされた」と投稿するなど、チーム内で不満が爆発寸前の状況にある。ビジャレアルは、昨年までの主軸2人が加入したチームだけに、強い気持ちをぶつけてくるだろう。
久保にとって初めてのダービー戦は、激しい試合になること必至の状況だ。