■11月の代表活動に期待すること

 この試合が実現したのは新型コロナウイルスの影響だった。

 コロナ騒ぎによって2020年3月以降の国際試合はすべて延期となり、春に予定されていた試合はいったんは秋にリスケジュールされた。その時点では、10月にはワールドカップのアジア2次予選が再開されることとなっていて、10月9日には豊田スタジアムでミャンマーとのホームゲームがあり、そして13日にはモンゴルとのアウェーゲームが予定されていた(僕も、ウランバートルのホテルを予約しておいた)。

 だが、日本代表とミャンマーやモンゴルとでは実力差がありすぎる。

 こうした試合では、「海外組」にとって最大の敵は対戦相手ではなく、ヨーロッパから日本までの(そして、さらにモンゴルまでの)長距離移動と時差調整であり、また慣れない人工芝やモンゴルの寒さ(13日の予報は最高気温が摂氏3度!)ということになってしまう。

 悪コンディションの中で苦労して戦っても「勝って当たり前」。そんな試合は、やはりプレーしていても楽しくないだろうし、見ていても面白くはない。そして、ワールドカップ本大会で世界の強豪と渡り合って上位進出することを目指している日本代表にとっての強化にもつながらない。

 そういう意味で、この時期にカメルーン、コートジボワールという同格の相手、ワールドカップ本大会でも対戦する可能性のある相手と試合ができたことは大変に喜ばしいことだ(実際、カメルーン、コートジボワールとは2010年と2014年のワールドカップの初戦でそれぞれ対戦し、カメルーンに勝った南アフリカ大会ではその勢いに乗ってラウンド16に進出し、一方コートジボワールに逆転負けを喫したブラジル大会ではグループリーグ敗退に終わっている)。

 日本サッカー協会(JFA)は11月にも今回と同様に「海外組」による活動を行う意向で準備中だと聞く。今回の活動が有意義なものだっただけに、ぜひ実現を期してもらいたいものだ。11月にもカメルーンやコートジボワールのような対戦相手が見つかればありがたいことだし、もし、手頃な相手が見つからなかったとしても、合宿と地元クラブとの練習試合を行うだけでも意義がある。

PHOTO GALLERY オランダ遠征中のサッカー日本代表
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