■アイスホッケー、ハンドボール、バスケット

 アイスホッケーの場合はスティックで叩かれたパックが氷上を滑るスピードはサッカーのボールが芝生の上を転がるよりはるかに速く、しかもあまり減速しない。しかし、一方で選手がスケートを履いて滑走するスピードも非常に速いから、「ボール(パック)の速度対人の速度」の比はサッカーと似ている。そのため、たとえばスペースにパックを放り込んで選手が殺到するようなプレーもサッカーと非常に感覚が似ている(スティックでパックを扱う難しさと足でボールを操る難しさも似ているので、アイスホッケーはサッカーときわめて近いスポーツということになる)。

 ハンドボールやバスケットボールは、パスは原則として空中を飛んでいくのでサッカーのパスのように減速することがないが、一方で人が走ったり、ストップしたり、ターンすることが容易であり、また手でボールを扱うのでパス精度を上げることも難しくないという意味で、やはり「ボールの速度対人の速度」の比はサッカーやアイスホッケーに近いものとなる。

 水球だけが、「ボールの速度対人の速度」の比が極端に大きいのだ(しかも、芝生とは違って、水面に落ちたボールはほとんど転がることなくいきなりストップしてしまう)。

※その2へ続く

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