■ゴールに飢えた選手たち
後半から出てくるどの選手も、毎回ちゃんとゴールに飢えている。この試合で投入されたアタッカーは三笘薫、宮代大聖、レアンドロ・ダミアン、齋藤学の4人だ。誰もが、自分が投入された時のスコアで試合が終わったことを素直に喜べないでいる。チームが勝っても、自分もチームも得点を記録していないからだ。
そしてそれは次の試合へのモチベーションになる。だから、1試合の中でも、次の試合になっても、決して途中出場の選手達の勢いが落ち着くことはない。
もちろん、スタメンの小林悠や旗手怜央、脇坂泰斗、田中碧だってゴールを狙い続けた。まさにとどまることを知らない相乗効果だ。
そんな彼らを一本調子でゴールに向かわせない家長の手綱捌きは、それ自体が、相手をじらしてズレを生み出すのと同時に、味方のゴールへの欲を更に高める作用があるのではないかとさえ思える。どこまでも冷静な家長に使われることで、自身の欲望とケンカをせずに済み、ゴールという結果を得られることをみんな知っている。
次戦、難しい相手、をクリアしたフロンターレを待ち受けるのは2位のセレッソ大阪だ。
現在の勝ち点差は11。これでフロンターレが勝利すれば、今シーズンのJ1は終了したも同然になる。
最下位との試合の次が2位との試合。これも、調子を狂わせるのに十分な要素だが、今のフロンターレにそんなことは影響なさそうだ。