降格が無いシーズンだからこそ出来ることがある。それは、時間をかけて新しいチームに生まれ変わることだ。
降格が無いシーズンだからこそ無いものがある。それは、残留するという目標と、そのことで得られる強いモチベーションだ。
前者は清水エスパルス、後者は湘南ベルマーレ、この2チームが同じ勝ち点9で迎えたこの試合は、通常のシーズンであればサバイバルマッチだが、当然それとは程遠いものだった。
エスパルスのピーター・クラモフスキー監督は、ここにきて更にチームにアレンジを加えている。前節の横浜F・マリノス戦で初めて採用した3バックを継続し、六平光成をセンターバックに、西澤健太と金子翔太をウイングバックに配した。
フォーメーションは関係ないし、目指しているものはブレていない、と公言する同監督だが、降格が無いからこそ今でも理想のサッカーをチームに落とし込もうとしていられる。例年であれば解任されていてもおかしくない成績だ。クラモフスキー監督にとっても、エスパルスにとっても、1年間かけて新しいサッカーに取り組むことができるのは幸運だ。どれだけ今年負けようとも、来年立派に花開くことが出来れば全てOKだ。