■来シーズンに繋げる闘いを
ベルマーレは難しい状況にいる。残留争いは無く、チームをがらりと変えようとしているわけでもない。下位に沈むこの状況で、1つでも上の順位を目指して目の前の試合に勝つ、ということを目指しはしても、どうしても残留争い中のようには昂らないだろう。
実際、結果以上に内容が良くない。奪ってからの速い攻撃や、後方からどんどん追い越してくる、という特徴的な戦い方が見られないだけでなく、観ている人が泥臭さを感じることや、負けていても必死に走る姿を見て応援したくなるようなことが、今年は少ない。
この試合でも、先制を許しても特にスイッチは入らなかった。少しずつ良くなっていたものが、ガンバ大阪に勝利したことで再び元に戻ってしまったかのようだった。次戦、あるいはもう少し先の試合かもしれないが、本来の自分達の姿を取り戻そうと再び奮闘し、いわゆる湘南スタイルを体現するタイミングは訪れるだろう。しかし、それはただ振り出しに戻しているだけではないだろうか。
今を乗り切るためだけの試合、ではなく、来シーズンに繋がる意味のある戦いをすることこそが、ここからの目標であるべきだ。
災い転じて福となし、2020年があって良かった、と来年言えるのはどのチームか。