J2地獄の5連戦(1)長崎・手倉森監督が「ミスで痛恨ドロー」も安堵の理由【戸塚啓J2のミカタ】の画像
徳重健太(V・ファーレン長崎)  写真:西村尚己/アフロスポーツ
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■北九州の不敗記録がストップ! 甲府が3発快勝!

 ギラヴァンツ北九州が11試合ぶりに黒星を喫した。3日前の栃木SC戦で連勝が「9」で止まり、今節ではヴァンフォーレ甲府に0対3で敗れた。複数得点の連続試合も、「10」でストップしている。

 9月5日にホームで行われた甲府戦は、不運な形で先制された。19分、DFが足を滑らせて泉澤仁にフリーで抜け出され、至近距離からのシュートはGK永井堅梧が弾いたものの、こぼれ球を武田将平にプッシュされた。この1点で甲府の試合運びに、余裕が生まれたのは間違いない。

 北九州の強みは、ハイプレスの連続性とその強度にある。「攻守の切り替えが速い」という表現よりは「攻守を切れ目なくつなげる」ことで、失ったボールをすぐに奪い返して攻撃に転じる。ハイプレスと攻撃を連続して繰り出すことで相手を呼吸困難に陥れ、得点を奪うのが彼らお得意のパターンだ。

 甲府にハイプレスが効かなかったわけでない。序盤は連続性も見られた。攻撃でも2次、3次、4次と分厚く攻める時間帯があった。攻勢の時間帯に取り切れていれば展開は変わったはずだが、そもそもフィジカルのフレッシュ度で甲府にアドバンテージがあったようだ。

 前節からスタメンを8人入れ替えた甲府は、伊藤彰監督がリーグ戦再開当初からターンオーバーを敷いてきた。前線についてはドゥドゥジュニオール・バホスの負傷離脱による入れ替えを強いられるところもあるが、選手の疲労を分散しながらチーム全体のクオリティを高めることに力を注いできた。北九州をアウェイで撃破した今節の勝利は、指揮官のスタンスが生み出したものでもあっただろう。

 一方の北九州も、前節から5人の選手を入れ替えている。新たにスタメンで起用された選手の出来が、悪かったわけではない。ただ、この日はベンチからも外れたボランチ加藤弘堅の不在は、ゲームの主導権を握るという意味で少なからず影響があったと言えるだろう。

 結果を残しながら選手を入れ替え、チームの底上げもしていく──連戦が続いていく今シーズンのJ2では、避けて通れないテーマである。

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