ビジャレアルが戦った直近のプレシーズンマッチ3戦(バレンシア戦、レアル・ソシエダ戦、レバンテ戦)で、久保は2度の先発出場を果たした。ポジションはいずれもトップ下。守備時は、FWパコ・アルカセルと並ぶようにして相手にプレスをかけた。
では、先発から外れたバレンシア戦と、その他の2戦では何は違ったのか。答えは簡単だ。FWジェラール・モレノがスペイン代表に召集されたかどうかだ。ジェラール・モレノは、昨シーズン18得点を挙げてリーガの得点ランキング3位、スペイン人としては最多得点を挙げた、ビジャレアルのエースストライカー。現在、UEFAネーションズカップに参戦するスペイン代表の一員となっているため、チームを途中から離れている。
そのジェラール・モレノが不在のため、久保は代役としてトップ下に入った。このスペイン人ストライカーがチームにいたバレンシア戦は、彼がスターティングメンバーに入って、久保がベンチに座っていた。
久保がビジャレアルで狙うポジションは、トップ下か右サイド。だが、この2つのポジションを勝ち取るには、ハードルがやや高い。
特に難しいのが右サイドで、現在このポジションにサムエル・チュクウェゼが定着している。チュクウェゼは、昨シーズン37試合に出場し、3得点。ナイジェリア代表にも召集されているこの21歳は、フィジカルの強さと縦への突破という大きな特徴を持っている。チームとしても、縦への推進という分かりやすさからボールを出しやすく、また、実際にサイドで起点となっている。プレシーズンマッチでも、3戦すべてで右サイドで先発している。