過密日程の中でアウェイ3連戦となった鹿島のJ1第14節対名古屋戦は、文字通りの“大荒れ”の試合展開となった。
名古屋のMFガブリエル・シャビエルが試合開始のホイッスルから1分とたたずに放った強烈な左足シュートが、いきなりの決定機に。GK沖悠哉がなんとかパンチングで逃げる場面だった。そして名古屋ペースで試合は進んだ。
しかしそれからわずか10分後、雷雨で試合が中断になってしまう。選手もスタジアム内に入り、中断時間は1時間を超し、試合再開前にウォーミングアップ時間まで設ける大規模なブレイクとなったが、鹿島のザーゴ監督はそれを無駄にはしなかった。
試合後に、「中断中は、相手が何を狙ってくるのか、自分たちはどのようなプレーをしていくのかというところの整理をした」と話し、名古屋の対鹿島戦術を選手に伝えたという。そもそも、中断までの試合時間は10分強しかなかったが、「中断前の時間で名古屋がどのようなことをしてくるかが分かった」と、分析力が光った。
ザーゴの伝達が効いたのか、ゲームが再開してからわずか数分後、鹿島は中盤から素早くボールを前線に運ぶと、昨季まで名古屋に所属していたMF和泉竜司が得点。古巣相手に、強烈な恩返し弾を決めて見せた。
さらに36分、相手陣内で効果的にプレスを仕掛けてボールを奪うと、MFレオ・シルバのスルーパスに反応した高卒ルーキーの荒木遼太郎がきれいに裏に抜け出して、右足シュートでのゴール。前半を2-0で折り返した。