■どうにか見届けられた

 日本人のうち2人はサッカーを見に行くというサポーターでした。後の2人の女性は大学の先生のようです。なんでも、明日から済南で心理学の学会があるんだそうです。今夜はレセプション。学者にとってレセプションでの顔つなぎは非常に重要なお仕事です。そして、彼女たちが連れていきたいと言ったアメリカ人の老夫婦は2人とも有名な学者らしく、済南に行く車の中でも日本人の先生たちが「先生のあのご著書にこんなことが書いてありましたが……」とか言うと、アメリカ人の先生が「あれはじゃなぁ……」とか説明していましたが、心理学の専門用語が難しいので内容はよくわかりませんでした。

 アメリカ人の先生はご高齢なので、すぐにトイレに行きたがります。すると、添乗員の僕は運転手に「美国的老師要往厠所」とか、いい加減な中国語でメモを書いて見せたりしなければなりません。運転手は中国語以外は話せません。

 北京の運転手が済南市内の地理を知らないのでちょっとウロウロしましたが、試合にも学会にも間に合う時間に到着。老先生からは「キミのおかげで学会に間に合ったよ。感謝しとるよ」とのお言葉をいただきました。

 1人650元をいただいて、僕は残りの100元と運転手へのチップなどだけの負担ですみました。こうして、逆転、再逆転、再々逆転の末になんとか玉田圭司のゴールで4対3と勝利したバーレーンとの大激戦を無事に観戦することができたというわけです。

 さあ、決勝は開催国・中国との決戦です。北京へは高速バスで戻りました。

 

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