そんな小笠原について、内田はこう語る。

「もう掃除機みたいにボール取ってましたよね。しかもノーファールで。それって、Jリーグでやってたときもすごいとは思ってましたけど、やっぱりシャルケに行って、あの人が世界基準なんだなって思いましたね。あの人は、1人でもそういうレベルでプレーしてたんだなって。Jリーグに戻って、周りがそういう風にやっていない環境の中でも、1人でやり続けるって結構大変だと思うんですよ。あの人は、ずっとそれを落とさずにやってたんですよね。だから、すごいなって。とにかくボールを奪うっていう意識がすごいですよ。球際でシュートコースを消すっていうのもそうだし」

 小笠原が引退したのは2018年シーズンが終わってからのこと。年齢は39歳と、40歳を目前にしての引退だった。現在、内田は32歳。ピッチの外から見守る人間としてはもったいない、と思ってしまう年齢だ。もしかしたら、小笠原満男という存在を見て、内田の心の中に生まれたものがあったのだろうか。

 6年前の言葉ではあるが、内田が残した「1人でやり続けるって結構大変だと思うんですよ」という言葉が、気にかかる。

3回に続く

 

PHOTO GALLERY 【画像】2009年の鹿島の基本布陣図
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