■1試合149ゴールのすべてがオウンゴールの珍事

 プロフェッショナル同士の試合で史上最大の大量得点を記録したのはマダガスカルのASアデマというチームである。2002年、オランピーク・レミルネとの対戦1試合で、なんと、149ゴールを記録した。しかしアデマの選手は誰も得点を記録することができなかった。この日生まれた得点は、すべてオランピークによる「オウンゴール」だったのだ。

 4日前の試合でDSAというクラブと対戦し、2-2で引き分けてアデマに優勝を決められてしまったオランピーク。終了直前に同点を許したPKが不当な判定だったと抗議するため、「消化試合」となってしまったアデマ戦で、ラツィマンドレシー・ラツァラザカ監督が選手たちにオウンゴールを入れまくることを命じたのだ。

 キックオフをすると、オランピークの選手たちはすぐに自陣にボールを戻し、ゴールにけり込んだ。そしてまたキックオフから同じことの繰り返し。アデマの選手は、得点どころか、まったくボールに触れることなく1試合を終えてしまったのだ。その結果の「149-0」の勝利だった。

 代表チーム同士の試合での最多得点は、2001年、ワールドカップ・オセアニア予選でオーストラリアがアメリカ領サモアを相手に記録した31点。FWのアーチー・トンプソンは13点を記録し、チームの31-0というスコアとともに、おそらくサッカー史に永遠にその名を刻むことになるだろう。

 日本代表で見ると、1967年、翌年のメキシコ・オリンピックのアジア予選でフィリピンを相手に記録した15点が最多得点となっている。釜本邦茂が6点を記録し、これも1試合の最多得点記録として現在に残っている。

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