■1部昇格1年目で10位に食い込んだ

 オサスナは今季、1部昇格1年目ながらアグレッシブかつスピーディーなフットボールでリーグ10位に食い込んだ好チームだ。ヨーロッパのコンペティションに出場できないデメリットはあるが、久保の成長を促すには最適なプレー環境だと考える根拠はあった。

 1つはチーム内に久保とキャラクターが重なる選手がいないこと。レアル・ソシエダはオヤルサバルにヤヌザイ。セビージャはオカンポス、スソ、ムニール。ベティスはフェキル、ライネス。セルタはラフィーニャ、アスパス。グラナダはカルロス・フェルナンデス、プエルタス。ビジャレアルはチュクウェゼ、オンティベロス。これまで候補に挙がってきたクラブを見ると、久保と特徴がかぶる左利きのアタッカー、もしくは右サイドを主戦場とする主力選手がいるチームがほとんどである。

 その点、オサスナで久保に最も近い選手は左利きのアタッカー、ルベン・ガルシアくらいで、左でも中央でもプレーできる彼は久保との共存が可能だ。バジェホ氏によれば、アラサテは2列目に久保とルベン、そしてクラブ生え抜きの背番号10、ロベルト・トーレスを並べる4−2−3−1を構想していたという。

「ルベンもロベルトもポリバレントなメディアプンタで、2列目のポジションならどこでもこなせます。チミー・アビラを最前線に起用し、2列目はクボを右、ロベルトとルベンを左と中央に起用することをアラサテは考えています」

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