欧州サッカーが8月にクライマックスを迎えている。UEFAチャンピオズリーグは、準々決勝が12日から15日まで、準決勝は18日と19日、決勝は23日にポルトガルで集中開催される。注目したいのは、新型コロナウィルス感染拡大のイタリアにおける中心地だったベルガモを本拠地とする中堅クラブのアタランタだ。「サッカーは単なるマネーゲームではない」ことを証明すべく、12日に世界的メガクラブのパリ・サンジェルマン(フランス)に立ちむかう。
■ベルガモは新型コロナウィルスの感染拡大の中心地だった
さて、アタランタの今シーズンの戦いはまだ終わっていない。UEFAチャンピオンズリーグで、なんとベスト8まで勝ち上がっているからだ。
初めての挑戦となったCL。アタランタはいきなりグループステージ初戦でディナモ・ザグレブ(クロアチア)に0対4で敗れたのを引きずって3連敗を喫してしまう。だが、4戦目でマンチェスター・シティ(イングランド)と引き分けると、ザグレブとシャフタール・ドネーツク(ウクライナ)を連破して決勝トーナメント進出を決めたのだ。
グループステージ突破を決めた時には、ベルガモの街はお祭り騒ぎとなったと報じられている。
何しろ、ベルガモという静かな街の佇まいとは異なって、アタランタのサポーター(ティフォージ)は熱狂的なことで知られている。イタリアで「熱いサポーター」といえば、ナポリをはじめとする南部ということになるが、このベルガモのサポーターの熱気というのは特別なものなのだ。
スタジアム改修の関係で、CLではホームゲームをベルガモではなくミラノのジュゼッペ・メアッツァで開催したものの熱さは変わらない。
そして、圧巻はバレンシア(スペイン)と対戦したラウンド16だった。ホームの第1戦を4対1で圧勝すると、アウェーでの第2戦も点の取り合いの末に4対3で勝利。アグリゲート・スコア8対4という、攻撃的なチームらしい結果で準々決勝進出を決めたのだ。このセカンドレグで、イリチッチは2本のPKを含めて1人で4ゴールを決めている。
だが、準々決勝進出を決めた3月11日。ベルガモの街はとても「お祭り騒ぎ」などしていられる状況ではなかった。