■悲劇に襲われたホームタウンに吉報を

 CLの準々決勝以降の戦いでアタランタを待ち構えているのは、ヨーロッパを代表するメガクラブ、ビッグクラブばかりだ。そんな中で、イタリアの中堅クラブのアタランタが、どこまで戦えるのか。「サッカーは単なるマネーゲームではない」ということを、アタランタには証明してほしいものだ。

 アタランタは準々決勝では、ポルトガルでの集中開催の初日となる8月12日にフランスのパリ・サンジェルマン(PSG)と対戦することが決まっている。

 もちろん、PSGも中東の資本を導入したメガクラブの一つであり、クラブの規模、戦力を比べればPSGが圧倒的に有利ではあろう。

 だが、セリエAは6月下旬に再開し、過密日程の中で第25節から38節まで14試合を戦ってきた。アタランタは最終節でインテルに敗れただけで、9勝3分1敗で戦い抜いてきた。そして、最終節終了後、中10日の休養日をはさんで準々決勝に臨むことができるのだ。

 それに対して、フランスはリーグアンを再開させることはなく、中断後、PSGが戦った公式戦は2つのカップ戦の決勝だけだった。

 チーム・コンディションという面では明らかにアタランタ有利である。さらに、クープ・ドゥ・フランスの決勝戦ではPSGの中心選手のキリアン・エムバペが負傷して、CL準々決勝には間に合わないと言われている。PSGにとっては、大きな戦力ダウンであろう。

 新型コロナウイルス感染症によって夥しい数の死者を出すという悲しい出来事に襲われたベルガモ市。果たして、そのベルガモの街に「CLの準々決勝での勝利=ベスト4進出」という夢のようなニュースはもたらされるのであろうか……。

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