J1第6節で初勝利を挙げた湘南だが、またしても黒星を重ねてしまった。
雨に濡れた等々力のピッチを縦横無尽に駆け抜けたのは、サックスブルーのユニフォームだった。前半、湘南が放ったシュートは斉藤の1本。それも、ゴールポストからは遠く離れた場所からのミドルでだった。相手の前半シュート数が13本だったから、攻撃陣が好調な川崎に試合を支配されたことを如実に表していた。
後半開始から、浮嶋監督は2人の選手を投入する。FWタリクとMF古林だ。指揮官は後半に挑む選手たちに、「強い気持ちを持って自分たちのペースに引きずりこめ」と送り出したというが、はたしてその叱咤がピッチに伝わった。57分、右サイドでボールを持った古林が、相手DFを前にしながらクロスを送り込む。ボールはマイナスの軌道を描き、ゴール前にいたタリクの後方に向かうかと思われたが、高くジャンプした11番が思い切り足を上げて右足ボレー。これがゴールに吸い込まれたのだ。先制は湘南だった。
しかし、このリードを守れたのはわずか4分に過ぎなかった。61分に同点ゴールを許すと、その後、立て続けに失点。終わってみれば、1-3の完敗だった。シュートも、川崎の24本に対して湘南はわずか3本。結局、タリクのゴール以降、ライトグリーンのユニフォームがシュートを放つことはなかった。