マルコス・ジュニオールも、エメルソン

 現役選手やOBの多くも、競うようにしてオークションや募金、寄付といったチャリティを行なっている。

 フラメンゴでは、主力のひとりブルーノ・エンヒキが生まれ故郷ベロ・オリゾンチのファベイラに食料5トンを寄付した。

 このように、多くの選手が故郷のファベイラを支援する活動を行なっている。

 ブラジル人Jリーガーも、こうした活動と無縁ではない。

 昨季得点王に輝き、横浜F・マリノスのJ1制覇に貢献したマルコス・ジュニオールが、生まれ故郷と古巣フルミネンセに170もの生活必需品セットを提供。彼の親族や友人が、各家庭への配給を担った。

 この活動はブラジルメディアにも紹介され、多くのファンから称賛の声が集まった。

 OBでは、コンサドーレ札幌でJ2得点王に、浦和レッズでJ1得点王に輝いたエメルソンの動きが光る。

 彼は引退後、自らの名前を冠した慈善団体を設立。名門コリンチャンスのアイドルという立場を生かして、積極的に社会貢献活動をしてきた。

 例えば昨年12月には、アレナ・コリンチャンスで“飢えと戦うチャリティマッチ”を開催。マルセリーニョ・カリオカ、デニウソン、ルイス・ファビアーノといった人気者が顔をそろえた。

 この試合では総重量120トンが目標に掲げられ、米か豆、もしくはパスタ1キロ持参で入場無料という形がとられた。

 コロナ禍においても、エメルソンの動きは止まらない。

 5月上旬には、リオ郊外で8トンの生活必需品を無償支給。自らも荷物を載せた台車を押して、生活困窮者の家庭をまわった。

 スタジアムから歓声が消えて久しいブラジル。しかしサッカー界は、苦しむ隣人たちのために汗をかき続けている。

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