■マルコス・ジュニオールも、エメルソンも
現役選手やOBの多くも、競うようにしてオークションや募金、寄付といったチャリティを行なっている。
フラメンゴでは、主力のひとりブルーノ・エンヒキが生まれ故郷ベロ・オリゾンチのファベイラに食料5トンを寄付した。
このように、多くの選手が故郷のファベイラを支援する活動を行なっている。
ブラジル人Jリーガーも、こうした活動と無縁ではない。
昨季得点王に輝き、横浜F・マリノスのJ1制覇に貢献したマルコス・ジュニオールが、生まれ故郷と古巣フルミネンセに170もの生活必需品セットを提供。彼の親族や友人が、各家庭への配給を担った。
この活動はブラジルメディアにも紹介され、多くのファンから称賛の声が集まった。
OBでは、コンサドーレ札幌でJ2得点王に、浦和レッズでJ1得点王に輝いたエメルソンの動きが光る。
彼は引退後、自らの名前を冠した慈善団体を設立。名門コリンチャンスのアイドルという立場を生かして、積極的に社会貢献活動をしてきた。
例えば昨年12月には、アレナ・コリンチャンスで“飢えと戦うチャリティマッチ”を開催。マルセリーニョ・カリオカ、デニウソン、ルイス・ファビアーノといった人気者が顔をそろえた。
この試合では総重量120トンが目標に掲げられ、米か豆、もしくはパスタ1キロ持参で入場無料という形がとられた。
コロナ禍においても、エメルソンの動きは止まらない。
5月上旬には、リオ郊外で8トンの生活必需品を無償支給。自らも荷物を載せた台車を押して、生活困窮者の家庭をまわった。
スタジアムから歓声が消えて久しいブラジル。しかしサッカー界は、苦しむ隣人たちのために汗をかき続けている。