岩本輝雄(右)と渡邉晋 撮影:中地拓也
岩本輝雄(右)と渡邉晋 撮影:中地拓也

「また監督をできるかどうか分からないしね」
 1回目のインタビューの中で渡邉晋・前ベガルタ監督がこうつぶやいていたのとは裏腹に、渡邉の現場復帰への周囲の期待は強い。財政的に恵まれていない仙台を率いて魅力的なサッカーを構築し、残留という目標を、やや余裕をもってこなしていたからだ。
 インタビューの中で、「僕と関係がまったくないチームで監督をやったとしたら、もっと違う発想もあると思う」と語っていたのは、本人の中でも“新たな今後”を見据えているからだろう。
 では、その未来を見据えてどう動いているのか。
 3回目となる今回は、今年のキャンプでの動きを、岩本輝雄が尋ねるところから始まります。
(以下、岩本=岩本輝雄、渡邉=渡邉晋、――=編集部)

 

岩本  キャンプとか普段の練習とか行ってないの?

渡邉  1月に、セレッソとマリノスの練習に行きましたよ。1週間ちょっとかな。

――新たな発見があったりする?

渡邉  そもそも、同じカテゴリーのチームの練習を見たことなかったので新鮮でしたよ。ちょっと興味本位が混ざったのと、まあ、時間もあるし、キャンプっていろんなこと落とし込む時間だから、そのチームの一番やりたいことが見えるんですよ。で、宮崎のシーガイアに行けば、そこの2つが隣同士でやってるので、ちょうどいいかなと。

岩本  中に入らせてくれた?

渡邉  入らせてくれました。マリノスは高台に上ると練習が見られるので、最初はそこで見ていたんです。そしたらポテスコグルー監督が、「下りてこい、下りてこい」って下からとてもフランクに手を振ってくれるんです。なので、下であいさつをして、「横浜に練習を見に行ってもいいですか?」って聞いたら、「OK、OK!」みたいにとてもウェルカム。

岩本  よし、それは俺も一緒に行こう(笑)。

渡邉  セレッソのロティーナ監督は、細部にこだわりを持っている監督で、練習でもそれを感じさせましたね。だから、練習自体は非公開じゃないんだけど、メモを取るのはダメだったり、プレスカードを下げたりとか。でも、監督の性格とかやり方とか、とても勉強になりました。

岩本  俺だったらメモを取らずに動画を撮るね! 

――そういう問題じゃないような(苦笑)

  1. 1
  2. 2
  3. 3