■3度目のオリンピック開催

 世界には、遠い日の“記憶”をそのまま伝えている、あるいは意図的に残そうとしているスタジアムがいくつもある。

 2006年ワールドカップ決勝の舞台となったベルリンのオリンピアシュタディオンは、1936年のベルリン・オリンピックのために当時のナチス政権が作り上げた豪華な石造のスタジアムで、内部は大幅に改装され、屋根も取り付けられているが当時のままのスタジアムで、ワールドカップのほかにも世界陸上などのビッグイベントを開催して未だに現役だ。

 同じドイツでも旧東ドイツのラプツィヒのスタジアム(RBライプツィヒのホームスタジアム)は、共産圏時代に建設された巨大な円形スタンドの土手をそのまま残して、その内側に建造された近代的なスタジアムだ。

 1994年のアメリカ・ワールドカップの開幕戦が行われたシカゴのソルジャーフィールドは第1次世界大戦後に戦死した兵士たち(ソルジャー)を記念して建てられたスタジアムであり、神殿風の列柱が特徴だ。そのソルジャーフィールドも2003年に全面的に改築されたが、やはり外壁は往時のままに残されている。

 アメリカといえば、2028年にはロサンゼルスで夏季オリンピックが開催されることになっており、メイン・スタジアムとしてはメモリアル・コロシアムが使用される。このスタジアムはすでに1932年、1984年にもオリンピックのメイン・スタジアムとして使用されており、なんと3度目のオリンピックを開くことになるのだ。そして、もちろん再三にわたって改築はされてきたものの、スタンドなどの構造は1932年当時のままだし、聖火台も当時と同じものが使用されるはずだ。

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