■新監督が就任した清水は半年後…

横浜F・マリノス、ポステコグルー監督(左)と、現・清水エスパルス、クラモフスキー監督(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

――清水エスパルスにも昨年まで横浜F・マリノスのヘッドコーチだったピーター・クラモフスキー氏が就任しましたね。

杉山  そう、マリノスと比べると、清水は全然弱いんだけど、全然面白いんだよ。これは半年後にはもしかしたら、そこそこ強くなってる可能性があると思うんですよ。開幕前と開幕戦までは、ボロ負け続きだけど、僕は面白いなこれって思ったの。あと、横浜FCとかもなんとなく似たような感じだし。横浜F・マリノスまでいかなくても、なんかそれっぽい感じを目指してるんだろうなっていう。だから、ちょっと湘南あたりが若干遅れて見えるかな。

戸塚  湘南はちょっと変わりましたね。

――湘南は、ガンガン走るサッカーですよね?

戸塚  まあそうですよね。でも、走るサッカー、走力はもちろん武器になるんでしょうけど、でも、それを今、強みって言うのも、もはや違ってきてるのかなっていう感じがします。

杉山  だから、あれはリーグ戦の戦いじゃないんですよ。トーナメントの戦いなんだよ。僕は、チョウ貴裁前監督は悪くなかったと思うんだけど、サッカーは……。チョウさんは人を思いっきり走らせた。でも、選手って消耗品なんです。やっぱり選手は12㌔走ることを想定してやっちゃダメなんですよ。10㌔止まりにして、戦術組まないと。12㌔を期待してサッカーやると、どっかでつぶれちゃう。

戸塚  スケジュール面で言うと、当初今年は、7月の、J1でいうと7月第一週までで、そこから1か月半の中断がありましたね。

――東京五輪開催による中断ですね。

戸塚  そうです。だから、実質は2ステージ制ですよね。7月のそこまでで、すでに21節を消化するはずだった。それは全体の3分の2。この序盤の3分の2で、どれだけ勝ち点を稼げるかというのが、優勝争いをする意味でものすごい大事だと思ってたんですよ。でも、コロナウイルスでどうなるのかわからなくなってしまった。ただいずれにしても過密になるわけじゃないですか。だから、各チームはその過密日程をどうやって乗り切るのかっていうところでしょうね。

杉山  まあ、ACLとかもあるしね。

戸塚  だから、F・マリノスに乗っかるなら、マリノスが過密日程を乗り超えて、ACLでもそこそこ上に行って、リーグも連覇するようなサッカーをしてくれると、なおいいなという感じですね。

杉山  まあね、でも確実にACL組はちょっと苦しいんじゃないってみんな思ってるよね。

戸塚  やっぱりしんどくなるじゃないですか。

杉山  だから、日本でそこまで層が厚いチームって、なかったんですよね。やっぱり。去年の鹿島アントラーズとかも急に最後6試合ぐらい失速しちゃったし。ちょっと、他のリーグではありえない動きがあるんですよね。

東京五輪延期が大きな影響を及ぼすと語る2人

戸塚  僕は今年は、セレッソ大阪ガンバ大阪に注目しています。

――どのへんに注目しているでしょうか?

戸塚  セレッソは去年、ミゲル・アンヘル・ロティ―ナが来て、今年2年目ですね。点数そんなに取れていなかったけど、失点すごく少ない、昨年はそういうチームだったじゃないですか。だから、得点力のところ上乗せできれば、数字を見る限り上に行けるはずなので。

杉山  ACLとかもなくて試合数も少ないからね。

戸塚  そうそう。あと代表に引っ張られるところもあんまりないので。そういう意味でいうと非常にリーグに集中できるクラブである、と。

――ロティーナの2年目は大きそうですね。

戸塚  そうですね。あと、柿谷(曜一朗)とか、清武(弘嗣)とか、そのへんもまだまだ老け込む年齢でもないし。ここからがキャリアの円熟期だというのもあるので、そういう意味ではセレッソに期待したいというのと、ガンバはやっぱ宮本恒靖監督が、実質3シーズン目。だから期待したいですね。ガンバは開幕戦でマリノスに勝ってますよね。

杉山  ガンバもだいぶ布陣を変えてましたよ。まあ、前もそんな守備的な3バックじゃなかったけど、3-3-2-2みたいな感じでやっていた。だけど、今年は4-3-3とか、4-4-1みたいな布陣でサッカーでやっていて。やっぱり、横浜F・マリノスの優勝の影響があるんじゃないかって思います。

戸塚  ガンバの開幕節、宇佐美(貴史)が一番前ですよね。

杉山  倉田(秋)は左ウイングやってたよ。

戸塚  前の方から、宇佐美、倉田、矢島(慎也)とか。やり方がすごい面白いなって。

(後編へ続く)

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