■ 大関の“良いパス”と脇坂の“怖いパス”。31歳のベテランが見せつけた決定的な違い

 この日、先発起用された大関は確かに素晴らしいパフォーマンスを見せた。

 彼の良さはパスを受けてからボールをさばく一連の動きのスムーズさだ。

 中盤で後方からのパスを受けるそのファーストタッチの質が高く、素早くターンして前を向けるのだ。すぐに前を向けるからこそ、早いタイミングで前線へパスを送り込むこともできるし、自らボールを運んでマークする相手を置き去りにすることもできる。

 先ほどご紹介した、6分に山川のマークを外した動きなどがその典型だ。そして、この日はその動きが一段とスムーズに見えた。そして、大関は何度も良いパスを出した。

 こうしてこの日の大関は何度も「素晴らしいプレー」を見せたのだが、それでも川崎の攻撃の強度が上がったのは、59分に脇坂が入ってからのことだった。

 大関と脇坂の何が違ったのか……?

 脇坂のゲームメークを見ていると、大関よりも相手にとって本当に嫌なところを狙ってパスを出していることが分かる。大関が「良いパス」を出していたとすれば、脇坂は相手にとって「怖いパス」を出していたのだ。

 しかし、それは数々の修羅場を潜り抜け、キャプテンとして川崎の攻撃を引っ張り続けてきた脇坂と、トップチームで初先発を勝ち取ったばかりの大関の差であって、致し方ないところだろう。31歳になった脇坂と大関の年齢差はちょうど10歳である。

 しかし、それでも強豪神戸を相手にあれだけの素晴らしいテクニックを披露できたのだから、大関の将来性については疑いはない。大関がこのまま成長すれば、大関と脇坂を並べて使ったり(大関はトップ下だけでなく、ボランチとしてもプレーできる)、あるいは2人を交代して使い分けることもできるようになる。相手にとってはとても危険な存在になることだろう。

つづく

 

(2)へ続く
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