■182cmの上田綺世が屈強なDFを翻弄する「動き出し」のサバイバル術
上田はリールへの移籍が決まってからわずか4日後、合流直後のトゥールーズ戦の57分にフランス代表のオリビエ・ジルーに替わって投入されると、73分に決勝ゴールを決め、さらにチャンピオンズリーグのベティス(スペイン)戦でも12分に先制ゴールを決める活躍を見せた。
そして、「3戦連続ゴール」が期待されたトロワ戦でも、自らのゴールこそなかったものの、再三相手守備ラインの裏に飛び出して攻撃の起点をつくった。
相手DFたちと駆け引きをしながら走り出す上田の動きに見事にシンクロナイズされたパスが次々と上田に集まっている。特に、トップ下のアイスランド人、ハコン・アルナル・ハラルドソンとは、まるで何年も一緒にプレーしているかのような素晴らしいコンビネーションでパスが供給された。
MFの(あるいは最終ラインの)選手はボールを受けると(あるいは、受ける前に)パスコースを探す。
たとえば、ゴール前に大型ストライカーがどっしりと構えているチームだったら、そのターゲットを目掛けてロングボールを蹴り込んでおけば、なんとか処理してくれる(はずだ)。
ヴィッセル神戸の大迫勇也などは、かなりアバウトなボールでもしっかりと収めて前線で攻撃の起点をつくってくれるから、パスの出し手としてはありがたい限りだ。
だが、上田は身長182cm。日本人選手としては十分サイズのある選手だが、ヨーロッパでは特に大きい選手というわけではない。
そんな上田を、後方の選手はどうやって認識すればいいのだろうか?
後方の選手に自らの位置を明らかにし、どのタイミングでパスが欲しいのかを伝えるために、上田は相手のラインと駆け引きしながら鋭い動き出しを見せる。
その動きのタイミングが良く、また動きのキレが良ければ、後方の味方は上田の動きをすぐに見つけることができる。そして、たぶんパスを出したくなるのだろう。
まさに、上田のキビキビとした動きがつかみやすいからこそ、リールの選手たちは上田の動き出しを把握して、それに合わせた絶妙のタイミングで合わせてくれるのだ。






























