8月29日にノエビアスタジアム神戸で開催されたJ1リーグ第4節。ヴィッセル神戸の叩き上げストライカーが、かつて日本を沸かせた伝説の“コロコロPK”を沈め、チームを劇的な勝利に導いた。
百年構想リーグ王者として秋春制の新シーズンを迎えた神戸は、開幕3試合を1勝1分け1敗で消化。迎えた4試合目は、本拠地でのセレッソ大阪との「関西ダービー」だった。この日は大迫勇也、武藤嘉紀という元日本代表の絶対的エースコンビが欠場。試合は序盤からバチバチの球際がぶつかり合う拮抗した展開となり、スコアレスのまま時計の針が進んでいった。
緊迫の均衡が破れたのは後半26分。直前のプレーで酒井高徳の放ったシュートをチアゴ・アンドラーデが腕で止めたとして、神戸が値千金のPKを獲得する。
この重圧のかかる絶好の先制機で、キッカーのボールを拾い上げたのは、スタメン出場していた27歳の小松蓮だった。
産業能率大学を中退してプロ入りし、これまでJ2、J3クラブを泥臭く渡り歩いてきた苦労人。DAZNの中継内では、過去のPKに関して「成功1本、失敗4本」という不吉なデータが提示され、スタジアムにも独特の緊張感が漂う。
しかし、小松はボールをセットすると、C大阪のGK中村航輔を真っ直ぐに見据え、ゆっくりと助走を開始した。最後の最後までGKの重心と動きを見極め、左足で選んだのは、力まない極めて優しいキック。見事にGKの逆を突き、芝の上を美しく転がるボールがゴール左へと吸い込まれた。






















