北中米ワールドカップにおける強豪オランダ代表との大事な初戦。日本代表は2度のビハインドを跳ね返し、劇的なドローで貴重な勝ち点1をゲットした。難敵相手に土壇場で追いつく粘りを見せ、チームが勢いに乗らないはずがない。だがその直後、チームの土台を揺るがしかねない衝撃のニュースが舞い込んだ。オランダ戦で負傷交代した久保建英が、次なるチュニジア戦を欠場することが濃厚となったのだ。
日本時間6月21日午後1時キックオフの第2戦に向けて、大幅なメンバー再編成を余儀なくされた森保一監督に秘策はあるのか? ワールドカップを8大会連続で現地取材する朝日新聞・潮智史記者が、大注目のスタメン&フォーメーションを徹底予想する。
プライスレスな勝ち点1と、胸を締めつけるような衝撃的なニュース――。
日本代表のグループステージにおける命運をかけた、と言っても過言ではなかったオランダ代表との初戦。51分と64分にリードを許す苦しい展開となったが、そのたびに57分の中村敬斗、そして89分の鎌田大地がネットを揺らして同点に追いついてみせた。
対戦相手のオランダがヨーロッパのトップクラブでプレーするスター選手ばかりだとは言え、今の日本代表もまた、大半が欧州で揉まれる実力者たちだ。決して「まぐれ」ではなく、互いの意地がぶつかり合った真っ向勝負でのドロー劇。この結果は、第2戦、第3戦、そしてその先の決勝トーナメントに向けて、選手たちの自信を大いに深めたに違いない。
しかし、そんな興奮冷めやらぬ日本列島をショッキングな知らせが駆け巡ったのは18日のことだった。久保建英のチュニジア戦欠場が明らかになったのだ。
久保が負傷したのはオランダ戦の後半25分あたり。相手選手と激しく衝突した際に左ひざを痛打し、一度は立ち上がってプレーを続けたものの、自らベンチへ交代を申し出た。鎌田の同点ゴールの際にはチームメイトと肩を揺らして喜ぶ姿も見られたが、試合後は車椅子に乗ってスタジアムを後にしており、その負傷の程度が深く心配されていた。
そして18日、日本サッカー協会は全治や診断名といった詳細は伏せつつも、久保の左ひざの負傷を公式に発表。今後はチームのベースキャンプに留まり、治療とリハビリを続けながら早期の復帰を目指すという。
南野拓実、三笘薫、遠藤航という絶対的な主力を大会前に欠き、さらに久保という稀代の才能まで失った森保監督。指揮官は一体いかなるメンバー構成でチュニジア戦に臨むのだろうか?
思い返せば2022年のカタール大会。日本は初戦で難敵ドイツを2-1で撃破する歴史的勝利を収めながらも、続くコスタリカとの第2戦を0-1で落とし、自ら苦境に陥ってしまった。あの苦い経験を繰り返さないためにも、このチュニジア戦では何が何でも勝ち点3を手にしなければならない。
現地で取材を続ける朝日新聞の潮智史記者に、日本の“勝ち筋”を読んでもらった。
■必要なのは「勝ち切る」メンタリティー
オランダ戦のあとの選手たちの反応は歓喜のなかにも、落ち着きがあった。内容の良し悪しにかかわらず、課題を見つめて次の試合に改善を図る。そんな姿勢が当たり前のこととして身についている。
置かれた状況は4年前と似通っている。カタール大会では、ドイツを下してこのうえないスタートを切った。が、コスタリカにわずかな隙を突かれて敗れた。先発を代えた判断が批判も浴びたが、むしろ、「この相手なら勝てる」という周囲の空気からチームに緩みが生まれていたように感じた。チームマネジメントとして、森保一監督が教訓を得た敗戦だった。
オランダ相手に2回追いついたという結果は、勝ち点1とはいえ、チームのどこかに隙を生みかねない。チュニジアなら勝てるだろう、というメディアを含めた安易な観測も聞こえてくる。先発は少なからず変化するだろうが、誰が出ても、まずは勝ち切るというメンタリティーを前面に押し出したい。
















