現地6月11日。3日後に北中米ワールドカップの初戦(対オランダ)を控えるサッカー日本代表に、激震が走った。絶対的キャプテンである遠藤航が負傷によりチームを離脱し、町野修斗の追加招集が発表されたのだ。2023年6月のキャプテン就任以来、第2次森保ジャパンをプレー面でも精神面でも強力に牽引してきた遠藤。その大黒柱の離脱がチームに影響を与えないわけがない。日本時間6月15日午前5時キックオフのオランダ戦に向けて、森保一監督は戦術を見直すのか。ワールドカップを8大会連続で取材する朝日新聞・潮智史記者が、注目のスタメン&フォーメーションを徹底予想する。
大事な本大会を前にしてチームを離れることになった遠藤が左足を負傷したのは、今年2月初旬のことだった。同28日に手術を受け、懸命なリハビリを続けてきた。日本代表のメディカルスタッフの助言も受け、本大会には間に合うと判断した森保監督は5月15日、本大会に臨む26人のリストに遠藤の名前を書き込んだ。
ギリギリの戦いを続けてきた遠藤は、5月31日のアイスランド戦で約3か月半ぶりにスタメンとして実戦復帰。だが、左足に「違和感を覚えた」として前半だけでベンチへと退いた。その後、メキシコとアメリカで実施された事前合宿でも別メニュー調整を続けながら戦力になることを目指してきたが、無念のタイムアップ。現地11日にチームからの離脱が発表され、さらに自身のX(旧Twitter)で「今回の活動をもって代表を引退する事にします」と綴った。
3年近くもチームの柱を務めてきた主将の電撃的な離脱と引退。選手間に広がったであろう動揺を、森保監督はどのようにして収束させるのだろうか。新キャプテンには板倉滉が就任したが、今後の指揮官のチームマネジメント能力が大きく問われることになる。
戦術的にも懸念事項がある。遠藤の「代役」として追加招集されたのはFWの町野だったため、ボランチを本職とする選手は佐野海舟、鎌田大地、田中碧の3人だけとなってしまった。アイスランド戦でボランチ起用されたDF瀬古歩夢を加えても4人。もともと手薄だと指摘されていたボランチ陣がさらに手薄になり、48チームによる長丁場を戦ううえでは致命的なアキレス腱になりかねない。
では、ワールドカップの初戦にして、グループステージ最大の難関であるオランダ戦に向けて、森保監督はいかなる選手起用で臨むのか。1998年のフランス大会から連続してワールドカップを現地で取材し、今回もアメリカ・ナッシュビルの地にいる朝日新聞の潮智史記者に占ってもらった。
■キャプテンの離脱をマイナスにしない
ワールドカップ初戦を前にして、主将だった遠藤航がチームを離れる事態になった。本人は代表から退く考えも示している。残った選手たちへの心理的な影響は小さくないはずだが、この状況がプラスに働くことを期待したい。
もともと、コンディションを想像すれば、初戦に間に合うかは見えていなかったはず。MFの中央に入るのは、鎌田大地と佐野海舟を組ませる形で問題はないだろう。試合中のアクシデントや戦術的な変更が伴ったときに、この位置に入るはずの田中碧ら控えの心理状態が整っていることが大切だ。そんな想定をすると、中村俊輔、長谷部誠ら代表経験の豊富なコーチ陣が細かな働きかけを選手にしていることが想像できる。
ワールドカップに出場する26人を発表した席で、「短い残りの時間のなかで少しでも勝つ確率を上げる準備をしたい」と話していた森保一監督の言葉を思い出す。この4年をかけてコツコツと重ねてきたマネジメントの周到さに改めて気づく。





























