■南米の提案にかみつく欧州

 その大会を「64チーム出場にしよう」と南米サッカー連盟(CONMEBOL)が発信したのは、昨年3月のことだった。

「百周年を記念して、この大会限り、34年大会(サウジアラビア)は48チームの大会に戻す」―。

 今年の「北米大会(森保一監督は「北中米大会」と言うが、メキシコは地理的には北米なので、私はそう呼ぶ)」と同様、「ジブラルタル海峡大会」とでも呼ぶべきイベリア半島と北アフリカの国の共同開催により、3か国が予選免除の出場となる。いずれもFIFAランキングで上位10か国に入る強豪なので問題はないが、南米の3か国でも試合を行うことにより、その3か国も予選免除になる。48チームのままなら、8分の1が予選を戦わないことになるのである。

 現在のFIFAの規定では、ワールドカップを世界持ち回りにするため、ひとつの地域連盟内での大会は、3大会に1度までということになっている。南米3か国が2030年大会の「開催国」のひとつに入ることによって、次に南米での開催が可能になるのは2042年大会ということになる。CONMEBOLの「発信」の背景には、64か国にすることによって、3か国が各1試合ではなく、ひとつのグループの6試合ずつを開催できるようになるのではないかという期待があるのではないかという憶測も飛んだ。

 この「発信」に対し、真っ先に反応したのは欧州サッカー連盟(UEFA)だった。翌月、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長は明確に反対の立場を表明した。「地域予選が無意味なものになりかねない」というのである。ワールドカップ予選は、UEFAなどの地域連盟の重要な収入源のひとつであるから、その人気を気にするのは当然だ。

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