「テレビの前で鳥肌が立った」中村敬斗、“別競技”の仏2部で14得点! ブラジルの天才に憧れたサッカー少年が胸に秘めるW杯への誓い【直撃3】の画像
中村敬斗のワールドカップの最初の記憶は、2006年のドイツ大会。4年の一度の“スポーツの祭典”にかける「熱い思い」を聞いた! 撮影/渡辺航滋(Sony αⅡ使用)
■【画像5枚】「少ないチャンスを決めきる」中村敬斗スタッド・ランスでの雄姿

 日本代表としての誇りを胸に、主戦場であるフランス・リーグ・ドゥでの激闘を戦い抜いた中村敬斗。最終節での圧巻の4ゴールを含め、今季公式戦14ゴール3アシストを記録。チームは惜しくも1年での昇格を逃したが、過酷な環境で「2年連続の2桁得点」を叩き出した事実は、彼が欧州の地で磨き上げてきた紛れもない実力の証だ。
 三笘不在の日本代表の左サイドを背負う立場となった中村。5歳のときにテレビの前でロナウジーニョに憧れたサッカー少年が、今度は自身が子どもたちに夢を与えるべく、最高峰の舞台へ挑むひたむきな決意を、ロンドン駐在記者・田嶋コウスケに語った。(第3回/全3回)

■「別競技」の環境で積み上げた数字

 一方で、クラブでの中村はフランス2部という難しい環境に身を置いていた。

 リーグ・ドゥは、単にリーグ・アンよりレベルが落ちるリーグとして見るべきではない。むしろ、求められる能力の種類が違う。1部から降格してきたスタッド・ランスは、2部の中では格上の存在だ。ボールを握る展開が増えれば、相手は低い位置にブロックを作り、ゴール前のスペースを徹底的に消してくる。試合によっては、序盤から勝ち点1だけを狙い、0-0を受け入れるような戦い方をしてくる相手もいる。

 そうなると、アタッカーには難易度が一気に上がる。華やかな突破だけではどうにもならない。狭いスペースでの判断、激しいコンタクトへの耐性、少ないチャンスを決め切る力、それから相手の執念深い守備を何度も崩しにいく根気が問われる。

 上位同士の対戦ではスペースが生まれ、比較的オープンな展開になることもある。だが、下位チームとの対戦ではまったくの別競技のようになる。相手は5バックで守備を固め、中央もサイドも消し、カットインのコースすら与えない。

 しかもスタッド・ランスの場合は、昨季の主力が8割程度、退団した。

 さらに、リーグ全体としてフィジカルコンタクトがあまりに激しい。判定基準の曖昧さ、VAR判定がないことも手伝い、アタッカーにはストレスのかかる環境になりやすい。だからこそ、2部で継続的に数字を残すことは簡単ではないのだ。

 しかし中村はその環境で、最終節のポー戦での怒涛の4ゴールを含め、公式戦32試合に出場し「14ゴール3アシスト」という見事な数字を叩き出した。

 チームは同時刻の他会場の結果により、昇格プレーオフ圏外の6位でシーズンを終え、1年でのリーグ・アン復帰の夢は絶たれた。だが、異なる性質のリーグで、2年連続で得点を積み重ねたことは、紛れもなく彼自身の実力を示す材料になった。

「昨季、リーグ・アンで2桁ゴールをとって結果を残した。1年だけだったら、ラッキーで2桁いくこともあるかと思いますが、2部に移ってから、2年連続での2桁ゴールはちゃんと実力がなければ出せない。そういうところで、目に見える結果を示せたかなと思っています」

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